鮎の毛鉤仕掛けを作りながら思うこと

そろそろ、鮎の毛鉤釣りの季節です。
鮎の毛鉤釣りといっても、私はドブ釣りではなく流し釣りですので、
1回釣りに行けば、大抵は根掛かりなどで3本鈎の仕掛けを1組は失います。
従って、鈎3本ほどを失う勘定となる消耗品です。

ところが、鮎の毛鉤は非常に高価なもので、最近ですと、1本が千円以上もするのです。
通常1袋2本入りで売られていますので、新品は1袋3千円近くもします。
1回の釣行で、上述のように新品を3本失えば、それは5千円を失うことと同じです。
年金生活者の小遣いでは、新品の鮎毛鈎は買えませんよ。

ですから、しょっちゅう中古釣具店を覗いては、出物がないか目を光らせています。
それと最近、近所のタバコ屋の釣り好きノブさんが、手首を傷めて竿が持てなくなったからと、手持ちの釣り小物を呉れると言うので、見せてもらったら、中に鮎毛鉤があったので、ありがたく全て頂戴したので、少し手持ちが増えました。 
鮎の釣行回数は少ないので、これだけあれば1~2年は使えるかと思います。
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上段のカネ久の袋は、ヤマベ用の蚊鈎で、中断と下段が鮎の毛鉤です。

コレクターズ・アイテムのような、かなり古い毛鉤が多いです。
価格も150円~200円。 今では考えられない値段ですね。
ハリスは本テグスなので、その扱いを知らないで結わくと直ぐに切れてしまいます。
これは、扱う前にテグスを唇で舐めて、唾液の水分で湿らせてやらないといけないのです。
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尤も、私の幼年時代でさえ、本テグスは既に古いものになりつつあって、
しかも高価だったので、私自身は使ったことはありません。
釣り好きだった父が、本テグスの扱い方を講釈しながら、大切そうに使っていたのを、その傍らで見聞きして覚えているだけです。
因みに本テグスとは、テグス蚕(テグスサン)とも呼ばれる山繭蛾(ヤママユガ)を殺して、その糸腺を体内から取り出し、人為的にビューと太い単糸で引き出して作られた糸です。
ビューっと、引き出した液状の糸を、薄い酢にくぐらすと固まるのだと聞いた覚えがあります。
蛾が自分で繭を作る時に吐き出す糸は、もっともっと細いものです。

少し昔の毛鉤で、700円~1,100円ほどです。
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ハリスが、本テグス製のものと、銀鱗クリスタル製のもの。
左から、銀鱗クリスタル、本ヘチマ、本てぐす、となっています。
ヘチマとは、本テグスの高級ブランドのようです。
ナイロン糸が出始めた当時の、銀鱗クリスタルが如何に高級品であったかが偲ばれますね。
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50年前、私がヤマメ釣りを覚えた頃は、道糸は銀鱗、ハリスはライカ・スペシャルを使っていました。
ライカのブランドは無くなってしまいましたが、銀輪は健在で今も愛用しています。
この銀鱗2号は、カサゴ釣りのハリスに使っているものです。
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イワナやヤマメ釣りの道糸も、今も銀鱗の0.8号~1号を愛用しています。
今では、銀鱗を使っているというと小バカにされたりするほど、安価な糸の代名詞になっていますが、
私は銀鱗を使っていて、何千円もする高級糸を使っている人に遅れを取ったことはありません。
今でも、立派に通用する良い糸です。
逆に、銀鱗は伸びがあって、しなやかで柔らかく、今時流行りの固くて腰が強く伸びのないハリス用の糸よりも、魚の喰いが良く、合わせ切れも少ないと感じている程です。

そもそも、どんどんと糸は細く強い製品が作られ、釣り人は競ってそれを買い求め、やれ俺は0.1号の糸で釣っているだの、変な自慢をしたがる釣り人も少なくありません。
しかし、仮にそれで釣果が上がったとしても、それはその釣り師の腕が上がったのではなく、魚に対して圧倒的に釣り人が有利な道具を使ったからに他なりません。
自分の腕が上達したか否かは、同じ道具を使い続けて初めて判ること。
それに、電動リールとか極細の糸など、圧倒的に人間が有利になる道具は、
釣りという魚との勝負に於いて、フェアな道具ではありませんな。
ですから、私は決して電動リールを買ったり使ったりしませんし、糸のブランドや太さも、50年前と同じものを使い続けていますよ。  頑張れ、銀鱗!

残念ながら、我が国は釣りマナーに関しては、中国や台湾よりは少しマシ程度の後進国で、欧米のマス釣りやトローリングのような厳格なルールが作られていないのが現実です。
仮に、マグロのトローリングで電動リールを使って大物を釣り上げたとしても、それは軽蔑されるだけです。
動力機械や他人の助けを得ないで、自分の力だけで釣り上げる、これがトロ-リングの厳格なルールです。
そして、ラインは太さではなく何ポンドの耐釣力があるかで判定され、その強さ弱さにより、魚を釣り上げた成績が判定されます。 最新化学の産物である細くても強い糸は、使っても賞賛されないのです。

この本テグスで結わかれた鮎の毛鉤は、博物館にでも寄贈して飾っておきたいようなものですが、毛鉤の命は飾り物ではなく、使ってやってこそのもの。 
惜しげなく使ってしまうことにします。
大切に仕舞い込んで、自分が死んだ時に棺桶に入れて貰っても、ちっとも嬉しくないですからね。

古いものといえば、私の持っているルアーも国内では草創期のものばかり。
50年ほど前に、一時ルアーに凝っていたので、手元に多少は残っています。
当時は国産ルアーは、単にステンレス板を折り曲げたようなスーパーデューパーくらいで、殆どは輸入製品でした。

そして、スプーンやブラグは湖で使うルアーであって、渓流ではスピナーを使うものと言われていた時代です。
10年ほど前から、魚野川で本流釣りを初め、渓流竿では届かないポイントを探るため、古いスピナーを探し出し、ABUのドロッペンを使ったら、尺ヤマメを始めニジマスの大物などが良く掛かりました。
しかし重いスピナーですので、2~3回の釣行で、根掛かりで持っていたもの全部を失いました。
メップス社のコメットも良いスピナーなのですが、大渓流で使うには重さが足りない。
そこで、中古釣り具のタックルベリーに探しにいったら、ABUのドロッペンなんて、今時もったいなくて使う人はいないですよ、コレクターがガラスのケースに入れて飾ってますよ、と言われてしまいました。

釣り道具なんて、使ってナンボのもので、飾っとくモンじゃねぇや。

毛鉤の流し釣り仕掛けも、レトロな本テグスの毛鉤で、いくつも出来上がったことだし、明日でもピーカンでなかったら、今年の鮎の初釣りにでも行ってみますかね。


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この記事へのコメント

タカ
2019年05月19日 01:57
はじめまして
高級な鮎毛鉤は高額なのですね
知ってると思いますが
タックルベリーと言う中古釣具屋で
鮎毛鉤1本売りが200円で販売しています。
それも他のチェーン店でも大量に売っています。
200円でも売れないから100円に成って
売れきれて又追加で販売されています。
今年も入荷されて売れないから150円に
大量生産の安物だと思います

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