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zoom RSS 人間の身勝手と、特定外来生物に対する扱い

<<   作成日時 : 2018/01/30 12:13   >>

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鰍工房ブログに、以下の書き込みコメントがありました。
『釣れてしまった特定外来生物を、元の場所に再リリースすることは、法が禁じる”放出等”には該当しない。』
本当にそうなのでしょうか? 
読者に誤解を与えるといけないので、法律を調べて確認してみました。

『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律』
<放出等の禁止>
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=416AC0000000078&openerCode=1#43
これには、決して、そのようなことは書かれておりません。
百歩譲って、第九条二の3の、『当該放出等が当該特定外来生物の生息地又は生育地を拡大させるおそれがないものであること』を言っているとしても、許可が必要となっています。
また、こういった外来生物は、その移入されたルーツを辿れば、限定された先祖であるので、DNA判定をしても、他所から持ち込んだものか、その場で釣ったものかの判定は困難と思われます。
そして、釣り上げた特定外来生物をリリースすることは、法の目的からも外れるものでしょう。

その証拠に、釣りビジョンなどで愚劣なブラックバス釣り番組が放映されていますが、決して再リリースする場面は放映されません。 それは、再リリースという違法行為を行なった証拠を残さないが為と思われます。
釣り雑誌でも然りです。 再リリース写真は、決して掲載されません。  再リリースしている筈なんですがね。

ブラックバス釣りのように、特定外来魚を狙った釣りもありますが、意図せずに釣れてしまう場合があります。
その場合に、どうしたら良いのか、これがこの法律で考慮されておりません。
ここに、この法律の不備があります。
法を厳格に守ろうとすれば、再リリ−スも出来ず、別の繁殖不可能な設備に隔離することも出来ず、その場で殺処分するしかありません。
そうすれば法を守ることは出来ますが、人間としての道を踏み外すことになるでしょう。

そもそも、全能の神でもない人間が、この種は在来種を脅かすから殺処分する、などと決めること事体が問題。
この理屈を適用すれば、アメリカ原住民(インディアン)の領地を奪取した欧州からの移民は殺処分しなければならないし、アイヌ民族や琉球民族の土地を奪い取った大和民族も、その地から追放しなければ理屈が通りません。

私が、小さな子供の頃の昭和30年初の学校教科書には「十和田のヒメマス」という和井内貞行の美談が載っていて、私も感銘を受けたものでした。
それに啓発されたか、様々な魚が移入されていました。

その多くは、あたかも我が国の食料不足を解決するような誤った考えのものも少なくありませんでした。
赤星鉄馬氏による箱根芦ノ湖へのブラックバス放流、皇太子による伊豆の一碧湖へのブルーギルの放流は、その地から決して移出させないという確約のもと、合法的に行なわれたものではありますが、魚食魚を以って食料不足を解決できるとは勉強不足もよいところで、ハマチを1kg育てるのにイワシを15kgも食わせなければならないという現実を無視したものでもありました。
津久井湖に移入されたペヘレイは、プランクトン食の魚ですから、この点はOKなのですが、同じ餌のワカサギとは競合するでしょう。 しかし、ワカサギも在来種ではないので問題ないかも知れません。
マス類の移入放流は数多く、ニジマス、ブルックトラウト、ブラウントラウト、レイクトラウト、シナノユキマス(コレゴヌス)、など枚挙に暇がなく、国内の湖沼河川で自然繁殖している例も散見されます。

草魚、レンギョ、ライギョ、など中国大陸方面からの移入種も数多く、これらの多くは自然繁殖しています。
飼育魚を逃がしたものが繁殖する例も多く、アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)やオオタナゴなどは大繁殖、最近では、ガーなど巨大魚の話題にも事欠きません。

しかし、彼ら魚に罪はなく、悪いのは人間なのです。

最も気の毒な魚は、タップミノー(カダヤシ)でしょう。
私が小学校低学年の頃、校長先生が毎朝の朝礼講話で、悪いボウフラを退治してくれて、日本脳炎の蔓延を防いでくれる有り難い魚、と話してくれました。 当時は、防火用水に湧くボウフラを退治するために、行政が音頭をとって町会などに斡旋までしていたように記憶します。

しかし、日本脳炎も終息し、防火用水も無くなった昨今では、在来メダカを脅かす害魚として、特定外来生物に指定までされています。 見つけたら殺せ、ということです。 人間の何とも身勝手な話ではありませんか。
我が国の特定外来生物の大半は、拉致されてアメリカに連れて来られた黒人奴隷の末裔のようなもので、そもそもの原因は、連れてきた人間側にあるのです。
過去の恩義を忘れ、不要になったら殺せと云う。 人間として、あるまじき行為でしょう。

他方では、ウナギのように絶滅が危惧されていても、食べたい一心、儲けたい一心の民意を優先させた行政は、シラスウナギを漁獲禁止にもしません。
全てが、人間本位、経済本位なのです。 これでは、自然保護は出来ません。

オオタナゴやタイリクバラタナゴを例にとっても、そもそも、在来国産タナゴが首都圏で壊滅したのは、移入種のタナゴに駆逐されたのではなく、大量の農薬使用(現在は農業では規制されているが、ゴルフ場などでは野放し)、三面護岸の水路整理、ノー政による稲作減少で溜め池が失われたり放棄されたり、これらが原因でタナゴの在来種がほぼ壊滅しました。 その空いた水面に、悪環境にも耐えられる外来タナゴが繁殖したに過ぎません。

檜山義夫博士著『釣りの科学』を紐解くまでもなく、釣りの漁獲では魚は絶滅しませんし、ブラックバスに喰いまくられても絶滅はしません。 釣り対象魚が減れば、釣り人はその場所に行かなくなりますし、ブラックバスも餌となる小魚が絶滅すれば、自らも餓えて絶滅するからです。
釣れなくなった渓流に釣り人が行かなくなって数年も経つと、そこは魚が増えて大変な釣りの穴場となってきます。 その噂が釣り人を呼ぶと、また乱獲されて釣れなくなります。 その繰り返しですが、魚は絶滅しません。
魚を絶滅させるのは、魚道のない堰を造ったり、周囲の森林を切り払うなど人間の行なう環境破壊です。

しかし、行政にとっては、在来魚の減少の原因を外来魚のせいにするのは、自らの失政が原因であることを覆い隠すに都合がよいのではないかと穿った考えさえ出てしまいます。 

高度成長時代に汚染された近郊の中小河川は、最近は下水の完備など行政の努力によって、綺麗に蘇りつつあります。 しかし、頂けないのは、『魚が棲める綺麗な川になりました』と言って、鯉(それも丈夫な移入種)を行政が放流するのが流行し、それが在来の小魚の復活を妨げていることです。
放流された鯉のいる川のどこを見ても、鯉は丸々と肥え太っています。 80センチほどに育ったものなど珍しくもありません。 一体、これらの鯉は何を食べているのでしょうか?
アメリカでは、日本から移入された鯉が、在来の小魚や貝類、エビ類など食べ尽くしていると言って、日本でのブラックバス被害と同様の大問題となっているそうです。

無闇な移入放流を戒めるべき行政が、これをやる。 問題ですね。

私が住む石神井には、石神井公園がありますが、昭和35年に都立公園になる迄は、国の蝶であるオオムラサキが沢山棲んでいました。 バラタナゴなども沢山いて、ボート池でもよく釣れたものでした。
ボート池は、かつては農業用の溜め池として利用され、地元の釣り人の憩いの場所であもありました。
池は、2〜3年ごとに掻(か)い掘りして手入れされて、カラス貝の大きなものが沢山棲息していたのです。

これが、都立公園になってからは、掻(か)い掘り手入れされないので、池にはヘドロが溜まってカラス貝は絶滅し、貝と共生するタナゴも絶滅しました。 
そんな大掛かりな虐殺をしながら、都立公園は原則釣り禁止などと言うのです。
同じく、昆虫採集も都立公園になってからは禁止されていますが、国蝶のオオムラサキを絶滅させたのは、都の公園管理事務所なのです。 オオムラサキやゴマラダチョウの越冬幼虫が隠れているエノキの落ち葉を、エンジンのついた枯葉掃除機で全て吹き飛ばして絶滅させたのです。
当時、昆虫愛好少年だった私は、この惨殺の様を呆然と涙を流して見つめていたものです。
微々たる数の昆虫採集を禁じておきながら、自らは皆殺しを行なうの非道理は許せないものでしょう。

こういう事を列挙したのは、法の定めや行政が行なうことの、決して全てが正しいことのみではない、ということを述べたかったからです。
法の条文の枝葉末節に拘泥せず、法の目的、法の精神を正しく見据え、人間として行なって良いことと、行なってはいけないことを見極めて行動しないといけないと思うからです。

『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律』については、
是非、以下の見直しをお願いしたいものです。

・特定外来生物を発見したり捕まえてしまった場合、その環境の棲息数を減らすために、
 元に戻(再リリ−ス)してはならないことを明記する。
・特定外来生物自体には何の罪もないので、殺処分してはならない。
 (地球家族の一員としての人類に、そのような権利はありません。)
・煩雑な手続きなしで、繁殖が不可能な環境に隔離飼育し、彼らの命を全うさせてあげること。

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