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zoom RSS クラリネットのリードを作ってみた

<<   作成日時 : 2017/12/07 07:53   >>

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私の父は、クラリネットやサックスなどの奏者でした。
芸大(旧東京音楽学校)を出て、東フィルの楽団員であったとのことですが、クラシック音楽が敵国性音楽とされた戦中、そして国民全てが喰うや喰わずの戦後の時代は大変であったと聞いています。
外地から無一文で引き揚げてきた両親と弟や妹を養うために、節を屈して進駐軍相手のジャズバンドを結成して家族を支えたとも聞いています。
昔のことゆえ、長兄であった父と末弟の年の差は17歳もあり、頼みの次兄は額と動員で戦死、残りは女姉妹人で稼ぎ手にはならず、働き手は父しかいなかったようです。
戦争は嫌ですね、それが無ければ、父もクラシック分野で名を成したかもしれないのに、あの頃の人達は皆、戦争によって人生の運命を翻弄されたのです。

今、手許に残っているクラリネットは、60年ほど前、私が小学生だった頃にフランスで買ってきたセルマー社製の楽器で、大卒初任給が1万円にも満たなかった当時、5〜6万円で父が購入したもの。 但し、為替レートが1ドル360円の時代だったので、それを割り引いて現在の金額と比較する必要がありますが、ともかく世界最高水準の楽器だったのかと思います。
現在の物価水準に直すと、初任給の差が25倍くらい、為替レートが約3分の1なので、50〜60万円というところでしょうか。 個人で買い付けたものなので、輸入業者や販売店のマージンが入っていないので、もう少し高いものになるかも知れません。 しかし、ピアノやバイオリンと違って、最高級品といっても、大した金額のものではありませんね。

私も中学生の頃、一時、父からクラリネットを習ったこともありますが、やはり、親子ではうまくいかない。
すぐに止めましたが、代わって、私の息子が高校時代にブラバンに入って、このクラリネットを使っていました。
顧問の先生から、随分と昔の楽器で、今のクラリネットと穴押さえキーの位置が違う、などと言われたそうです。

先月、娘が自分のピアノ教室の発表会を開き、生徒の演奏の後、音大付属高校時代の友人と一緒に、ピアノとクラリネットの合奏曲を披露。

これに、触発された家内が、折角よい楽器があるのだから吹けるようになってみたい、と言い出して、埃を払って持ち出してきました。 しかし、リードが残っていません。
そこで、間に合わせですが、私が即席にリードを作ってみました。

素材は、真竹と煤竹を試してみました。
出来上がったもの、左が真竹製、右が煤竹製です。
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裏側です。
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真竹の素材は、山で伐ってきて7年ほど乾燥させた中くらいの太さのもの。
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これを鉈で割り、鋸でカットして、リードの幅の小片にします。
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これを小刀で削って、形を作っていきます。
先ずは、裏側を皮に近い固い繊維が出てくるまで平に削ります。
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表側を削って、形を整えていきます。
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リードの生命線である先端と両脇を細心の注意を払って削り
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最後は、音を確認しながら、木賊などを使って厚さを調整していきます。
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同様に、煤竹でも作ってみました。
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材質が非常に固いので、削るのに苦労しました。
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で、結果はと言いますと、いずれも音は出るようにはなりましたがなかなか難しい。
・真竹は、もっと太くて固い材を使った方が良さそうでした。
・煤竹は、逆に固すぎて、私は音を出せましたが、家内の肺活量では音が出ません。

結局、私が作ったリードは、ボツになりました。 綺麗な形に出来たのに、残念!
その後、家内は楽器店で初心者用の音が出やすいリードを買ってきて練習しています。

しかし、今回は新しい製作分野への挑戦で、面白い経験になりました。
ほんの3枚だけ作ってみただけですが、最初の1枚目から、兎に角は音が出せただけでも、我ながらすごいと思いますよ。  
永年に亘る竹の釣竿作りで、竹というものの性格が判ってきているからでしょうね。

今後、10枚ほど挑戦してみたら、少しはマシなリードが作れそうな気がします。
素材は、皮張りのしっかりした真竹もしくは布袋竹で間違いないと思います。
問題は、その乾燥程度、そしてキーポイントは火入れ加減にあるように感じています。
良い素材と、適切な固さを得る火入れ加減、ここを体得できれば、あとは削りの加工技術だけで、これは得意分野ですから、問題なくクリアできるかと思います。

自分で作ったリードで良い音が出るようになったら、55年のブランクを経て、再びクラリネットを練習をする気になるかもしれませんね。

音大出の家内は、音楽家の息子の私と結婚するに際し、娘も音大を出すところまでは実現しましたが、私を含めてファミリー音楽会を行なうような、そんな家庭を夢見ていたようです。

しかし現実は、釣りばかりして日焼けした漁師のような旦那には、大きな幻滅を感じていたようです。
人生の終わりまでには、一回は家内の夢を叶えてあげるのも、平素、釣りばかり行っている罪滅ぼしには悪くないような気がしてきました。 これは、家内の作戦なのかな?

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